みゆきビルは、岐阜駅から南に徒歩15分に位置し、1階をテナント、2階を文化サロン、3・4階が住居として使われていた築40年ほどのコンパクトなビルです。オーナーがご高齢となり、居住場所として利用が難しくなり、活用を検討することになりました。
住居部分は建設当初から更新されておらず、内装の更新は必須と考え、ある程度の投資が必要になることをお伝えした上で、いきなり解体をするのではなく、借りていただける方を先に見つけ、事業性が見込める状態になってから工事を行うことにしました。思い出も多い自宅部分がなくなってしまうことに、寂しい気持ちもあられ、あまり急がず期間を設定して家財の整理をしていただきました。
そんな中、弊社が手がけた再生物件〈カンダマチノート〉のレンタルスペースをイベント利用されたITベンチャー企業の方が、「真面目な事務所ビルより、こういう雰囲気の場所の方がおもしろいので、こんな感じの事務所をつくれないですかね?」と相談いただき、2018年にテック系シェアオフィス〈みゆきビル〉が誕生しました。当時、岐阜市内でビルの使い方から入居者が相談できるような形式の物件がなかったことに加え、どんな事務所にしたいかなどを一緒に考える提案をしたところ即決をいただきました。
ビルをスケルトンにし、彼らとのコラボレーションしながら、使いきれない部屋の入居者の声がけなどもしていただき、内装はイベント化するなど一緒にDIYで場所をつくりました。
大工さんと一緒に床を貼ってみる
事務所の様子
また、複数の会社がリモートで運営管理ができるように、入居者側からオンラインの入居システムを提案してもらったり、こちらは出入りを制限されがちな屋上空間の利用が出来るようにしたりと、「借り手:職場環境をより良くすることに協力してもらえる=貸し手:協力することで長く使っていただける」のように双方にメリットのある関係を作ることができました。
当時の2階の様子、入居者たちの共有ライブラリーコーナー
現在は入居者によってコワーキングスペースも運用されている